歳をとるにつれて”おいしいなあ”と感じる度合いが日々増してくるものが2つあります。一つは日本茶、もう一つが漬物。
私の小さい頃は母親が毎日のようにぬか漬けを出してくれたものです。

生まれは東北で、漬物にさらに醤油をかけて食べるというのが普通でした。だから今でも漬物には醤油をかけてしまいます。ただ歳も歳なんでその量はだいぶ減らしてはおります。奥さんに塩分摂りすぎ!って怒られますので。
そんなぬか漬けで育った体は東京に出てきてからも浅漬け含めて定期的に漬物を買う機会が多かったものです。
ただ市販の漬物はどうしても調味料や酸化防止剤や着色剤といった”余計なもの”が入ってますでしょ。保存期間や品質保持を考えたらそれは仕方がないんですけど、歳をとるにつれてその余計なものの味が苦手になってきたんです。

そんなときでした、ネットをウロウロしてたら”ぬか床キット”にふと目が留まったんです。
いやだいぶ前から知ってはいたんですがなんとなく敬遠してたんです。”簡単だ”という触れ込みとはいえなんだかんだで手間はかかりそうだったので。
でも家族も少なくなって(出て行って)自分の時間に余裕も出てきた今になってようやく「ちょっとやってみようかな」という気持ちが次第に大きくなってきたんです。
そこで2種類の漬物キットを買って味の違いや実際の手間なんかを試してみることにしました。
半年ほど使ってみたぬか床セット、結果としては満足度大です。
なんといっても余計な味がせず、素材の味が大いに楽しめますから。ただそれなりに若干ですが手間はやっぱりあります。
そんなわけでぬか床セットの手軽さや私なりの使い方、どの程度の手間が必要なのかをレポートしてみます。
2種類の漬物セット
購入したのは1つは「コーセーフーズ・冷蔵庫で育てる熟成ぬか床スタートセット」。
中のぬか床をならすとパックがそのままぬか床として使えるのが特長です。

もう一つが「【樽の味】ぬか床スタンドパック)」(※撮影画像を失念してしまい販売サイトの画像を拝借)
こちらも「パックがそのまま樽床」として使えます。

初めてぬか漬けをする(ぬか床を作る)際に必須なのが”捨て漬け”と呼ばれる作業。これがぬか漬けを始める際の最初のハードルじゃないでしょうか。
キャベツの外葉や大根のきれっ端、ナスのへたといった通常なら捨ててしまうような野菜クズを漬けては取り替える作業のことで、これを3回ほど繰り返すことでぬか床の発酵が促されます。
上2つに限らず最近のぬか床セットはこの捨て漬け作業が済んでるのが一般的で、買った(到着した)その日からぬか漬けが楽しめるというものが多いです。この手間がないのはぬか漬けのハードルをだいぶ低くしてくれますね。
パックは使いにくかった
パックがそのまま樽床になるぬか床セット。中のぬかを慣らしていくとパック自体が立つのでそのまま冷蔵庫などに入れることができます。これは便利ですね。

と思ったのも2,3日だけ。実際に使ってみると使いにくさの方が目立ってきました。
パック内に入れられる野菜の分量ですが、たとえばきゅうりだと2本なら余裕、3本だとかなり窮屈(漬けにくい)ってとこです。家族が多いとちょっと辛い分量かもですが、そもそもがぬか漬け初心者向けの商品なのでこんなもんでしょう。
そして漬け終わったあと、これがいろいろ大変でした。一つはぬかが付いた手をパックから抜くとき、必ずといっていいほど手に付いたぬかがチャックの合わせ溝に付着しちゃうんです。これが私的には大問題でして。
というのもそこにぬかが付いたままだとチャックってきちんと閉まらないんですよね。その結果どうなるか。
ちゃんと閉めてない状態で冷蔵庫にしまうと冷蔵庫内にぬか臭が充満してしまいます。
しかもぬかは水分を多く含んでるので指でパチンとチャック部分をはねたところで簡単には取れません。キッチンペーパーなどで”たんねんに”拭かないとぬかが残っちゃいます。ひどい時はつまようじで掻き出さないと取れないことも。
筆者”あなたのやり方がまずいんでしょ”と言われればそれまですけど。
これは漬け終わった野菜を取り出すときも同じです。むしろ野菜を取り出すときの方がぬかがチャックにくっつきやすい。野菜をつかんでる分、出口が狭くなるので。
これが毎回発生するのかと考えたらもうだめでした。パックは早々に撤退です。
パックからタッパーへ
すぐに代替策を考えました。そして出た答えがタッパー。

これなら間口も広いし、ぬかがフチについてもキッチンペーパーでさっと一拭きで済みます。
今回のキットの分量(800g)だと24×16×18cm(深さ)のサイズのタッパーがちょうどいいサイズでした。
それに2種類の漬物セットをそのまま冷蔵庫に入れると2個分の場所を取りますが、タッパーなら2段重ねでいい塩梅に収納できます。

さっそくきゅうりを漬けてみます。
少しでも早く漬かりやすいよう、皮はある程度剥いておきます。

だいたい3本が限界です。それ以上だとぬかが完全にかぶりません。(ぬかを足せば問題ないですけど)

きゅうりが完全に隠れたらあとはタッパー内の壁に貼り付いたぬかをキッチンペーパーでふき取ります。
特に蓋との接着部分は念入りに拭き取っていきます。そこにぬかが残ってると蓋側の溝にもくっついてしまってあとで取るのがとても面倒になるので。
(といってもさっと一拭きで取れます)

ぬか漬けすると野菜から水分が出ます。その水分の取り方はいろいろありましょうが、私は漬ける段階でキッチンペーパーを2枚ほど敷いておきます。これだけでもだいぶ水を吸ってくれます。
(特に大根は水分が多く出ます)

常温なら朝漬けたもんが夜には食べられるものかと思います。ただ私は冷蔵庫派なので漬かりが遅く、きゅうりなら大体16~18時間くらい必要です。
(昼過ぎに付け始めて翌日の夕方に食べる感じ)
なすは2本を縦割りにして4つが限界でした。漬け時間はきゅうりとほぼ同じくらいでちょうどいい感じ。

にんじんもやはり2本が精いっぱい。同じく縦割りにして漬け込みます。ただしにんじんは皮をむいても漬かり具合が遅いです。
塩分強めにして24時間、つまり夜漬けて翌日の夕食あたりでちょうどいい感じでした。

味の違い
2つのぬか床セットを購入したのは味に違いがあるのかどうかが知りたかったからです。そんなわけで毎回2つのタッパーに同じ野菜を入れて食べ比べてみました。
しいて言うなら下の画像左の「コーセーフーズ・冷蔵庫で育てる熟成ぬか床スタートセット(800g)」の方が若干ぬか漬け感が強い感じがします。ぬか漬け独特の酸味がより強いかなあという感じ。
対して右の「【樽の味】ぬか床スタンドパック(800g)」の方は(若干ですが)あっさりめという感じでしょうか。

私はどちらかというと前者の酸味強めの方が好みです。
4ヵ月ほど使ってみてもどちらもその味わいは変わらずだったので、ぬか自体の製法にそれぞれ独自のこだわりがあるということなんでしょう。
味そのものに関して言えば、どちらも昔食べてた母の漬物の味を思い起こさせるような本当にうまいぬか漬けに仕上がります。まさに”余計な味”がいっさいしないシンプルな漬物。

筆者家族で食べるのできれいに切ってますが、きゅうりの漬物は1本まるごとかぶりつくのが実は一番うまい食べ方であるということは内緒です。
かきまぜ
ぬか床は定期的に”かきまぜ”が必要です。ぬか床は活きてるので手入れを怠ると死んでしまう、腐ってしまいます。この混ぜるという作業が空間の狭いパックだと本当にやりづらかった。
しかもかき混ぜ後のパック壁面についた余計なぬかを拭き取る作業もこれまた大変でした。パックは柔らかいのでいちいち外側を手で押さえながら内側を拭く必要があるんです。これが地味に手間がかかります。
こういったこともタッパーに切り替えた理由の一つです。
説明書では常温保存なら毎日、冷蔵庫保存なら5日に1回はかきまぜが必要とあります。ずぼらな方は冷蔵庫保存がおすすめです。ただ冷蔵庫だと漬かりのスピードはやや遅くなります。
筆者昭和ど真ん中の時代に生きてた私の母は、それこそ毎朝・夕と1日2回はかきまぜてました。いい思い出です。
ぬか&塩分調整
ぬか床セットの使い始めは塩分が少し強めだそうで、最初の2,3回くらいは漬け時間を思ってるよりも少し短めに取り出した方がいいです。
そのうちぬかが馴染んでくると漬ける野菜によってどのくらいの時間が必要なのかが体感でわかってきます。
しばらく使ってるとぬかは少なくなります。こんなときのために追加の足しぬかなんかも用意されてます。
追加分のぬかも昆布や野菜や調味料などがすでに入ったものなのであとから何かをするなどの必要はありません。これは面倒がなくていいですね。
ただ塩分に関しては追加調整が必要になってきます。私の場合、ちょっと塩分が足りなくなったかなと感じたら(小)タッパー1個につき大さじ1杯程度の塩を足すとちょうどいい感じでした。
大タッパーに切り替え
異なる味わいの漬物が定期的に食べられるというのはそれはそれで楽しいものではありました。でも半年もやってると毎回2種類の漬物を作るのがおっくうになってきます。それに2種類作ると分量もまあまああるので消費しきれない日も出てきます。家計への負担も増えますし。
そうなるとどちらか一方は使わなくなる時があります。でも使っても使わなくてもかきまぜは必要なので毎回同じタイミングで2つのタッパーを開けてかきまぜないといけません。これが地味に面倒でして。
「だったら味の違いもわかったことだし、もういっそのこと混ぜちゃうか。」ということで、今は大きなタッパーに2種類のぬかを混ぜ合わせてやってます。混ぜたことで何かの不具合が出るかと思ったんですが、特にそれはなく味もいい感じで仕上がってます。

大タッパーのメリットは「漬ける野菜の量を自在に調整できる・かきまぜが1回で済む・タッパー内壁に付いたぬかの拭き取りがラク」なことです。とにかくすべての作業が1回で済むことが一番のメリットです。


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