知らないとあとあと困る!マンション大規模修繕工事で備えるべき6つのこと
も・く・じ
頑張って稼いでようやく購入した分譲マンション。
あとはローンと毎月の管理費を払うだけなんて思ってませんか?
いえいえ、今のうちから10年後20年後を見据えておかないと、余計な手間と想像以上の出費に悩まされることになるやもしれませんよ。
大規模修繕工事とは
購入当時はピッカピカだった新築マンションも年数が経てば自然の摂理でそれなりに劣化していきます。
バルコニー(ベランダ)の外壁タイルが剥がれ落ちそうになったり、塗装が落ちてきたり、ひび割れが生じてその部分から雨水が侵入してきたり、手すりの根元が腐食してきたり、コンクリート内部の鉄筋が錆びて表面を突き破ったり…と数え上げたらキリがありませんぜ。
これらの”劣化”が目に見えて「ひどいなぁ」と感じられるようになるのは新築からおよそ10年を過ぎたあたりからなんだそうですよ。
(我が家も確かにそうだった)
その劣化した部分を一気に修繕しちゃおうよというのがマンション大規模修繕工事と言われるものです。
マンションの外壁や屋上、共用部と呼ばれるバルコニー(ベランダ)・廊下の修繕がメインの作業エリアになります。
国土交通省が推奨している大規模修繕工事の目安は12年ごとだそうですね。
我が家の場合は築後14年目に行われました。
調べてみたら1回目の大規模修繕工事は築後10~15年の間に行われることが多いみたいです。
そのための費用としておそらく管理費以外に”修繕積立金”というのが銀行口座から毎月引かれてるはずです。
大規模修繕工事のメリットとしては以下のことが挙げられるでしょう。
- マンションの住環境機能の低下を元に戻すことで住み心地が良くなる
- マンションの資産価値の低下が防げる
しかしながらただ漫然と大規模修繕工事が来るのを待ってると、あとあと面倒なことになりかねませんよ。
ここでは3年前に私が実際に大規模修繕工事を経験した中から、余計な手間をかけないために気をつけるべき点、工事期間中に感じたストレスの元(つまり我慢すべき点)、そして2回目の大規模修繕工事に向けての新たな問題点などについてお話したいと思います。
工事に際しては業者の選定などの問題もあるようです。
ただ我が家の場合は管理組合ですでに決まっていたので、その辺の問題に関しては今回は割愛させていただきます。
バルコニーを”いじって”ませんか?
”大規模修繕工事がもうすぐ始まるよ~”という連絡を受けて最初に驚いたことが、
工事期間中はバルコニー(ベランダ)に置いてあるものはすべて撤去すること!
作業員の点検作業や塗装作業、修繕作業の邪魔になるので、バルコニー(ベランダ)に置いてあるモノは全部事前に撤去しなきゃいけないんですね。
これは植木類やウッドデッキはもとより、バルコニー(ベランダ)に敷き詰めたタイルなども該当します。
(室外機については後述)
そんなことはつゆ知らず、我が家の場合はとある時期から大き目の”物置”をバルコニー(ベランダ)に置いていたんです。
長年使った物置は大きいし、なにより錆びて汚れていたので工事期間中だけ一時的に室内に移動しておくなんてことはできやしません。
やむなく粗大ゴミとして廃棄せざるを得ませんでした。
我が家のお隣さんなんかは新築時からきれいにバルコニー(ベランダ)の床にタイルを敷き詰めていらっしゃいましてね、工事を前に泣く泣く全部取っ払ったとおっしゃってました。
お隣さんも我が家もそうですが、これらの撤去費用は”自腹”になります。
こういった予期せぬ出費は本当にイタいですよ。
金額も決して安くないですしね。
そしてもっと大事なことは、これらの撤去命令には逆らえないってことです。
というのもバルコニー(ベランダ)は”専用使用権が認められた”共用部という特殊扱いなので、自由に使ってはいいものの原則として勝手に改良を加える工事などは建前上できないことになっています。
ですから撤去は当然であり、それにかかる費用はすべて居住者が負担することになります。
下手にバルコニー(ベランダ)を”いじり”すぎると大規模修繕工事の際に泣くハメになります。
いじり度合いは最小限にするか、期間限定で撤去可能なレベルにとどめておいた方が無難ですよ。
大規模修繕工事中は我慢との闘い?
大規模修繕工事の期間ってどのぐらいになると思います?
80戸弱・14階建てマンションの我が家の場合は、記憶を辿ると足場組みから総撤去まで4~5ヵ月ぐらいかかっていたんじゃないかと思います。
想像してたよりもかなり長かったなぁという記憶しかありません。
(戸数や階数・広さによって3ヵ月の場合もあれば8ヵ月ぐらいになることもあります)
そして工事期間中は我慢とストレスとの闘いの日々でした。
目の前に足場が?
大規模修繕工事が始まると最初に足場が組まれます。
当然のことながら1階から足場が組まれるわけですが、2,3階といった低階層にお住まいの方にとっては他の居住者よりも長い期間足場を眼前に眺めることになります。
それだけでも嫌なことでしょうけど、足場ができるってことは(極端なことを言えば)夜中にだれかが登ってバルコニーに侵入することもできるってことですよ。
不安ですよね。
窓を開けてうかうか寝てもいられませんよね。
幸いというか、我が家はたまたま13階だったのでいきなり足場が現れるということはなかったんですが、2,3階にお住いの人たちはかなりストレスが溜まってたんじゃないでしょうか。
この足場組みだけで2~3週間くらいかかったと思います。
高層マンションともなればもっとかかるでしょうね。
実際に13階のバルコニーの前に組まれた足場を初めて見た時、私は最初こんな気持ちになっていました。
「うー、足場の階段をつたって下に降りてみた~い」ってね。
もちろんそんなことを試したことはありませんよ!
足場の組み込みが終わるといよいよ本格的な作業が始まります。
部屋が暗くなる
直前の画像でもわかるように、足場が完成すると汚れ等が外側に飛散しないようマンション全体が半透明の黒っぽい養生シートで覆われます。
そうすると部屋の中は一日中薄暗くなるんです。
南向きの部屋でも薄暗くなります。
加えて通気性も若干悪くなります。
これは気が滅入りますよ。
それまで明るかった部屋が何日も何週間もず~っと薄暗いままなんですから。
バルコニーに突然人影が!
足場組みと同時に作業日程表が1階のエントランスに張り出されます。
そこを見れば自分の部屋がいつ作業日なのかがわかるんですが、その日程以外にも作業員の方は縦横無尽に足場を行き来します。
検査や作業のためにバルコニー内にも入ってきます。
(バルコニー内での作業は窓枠などに詰められているゴム状のシーリング打ち替えや高圧洗浄・外壁塗装・防水工事などになります)
もちろん前もってそういうお断りはあります。
でもね、日中部屋でくつろいでいる時にいきなりバルコニーに人影が現れた時なんかはホントビックリしますよ。
そんな時、作業員の方と目があえばお互い軽く会釈をしたりして。
これが気まずいのなんのって。
それを避けるために薄手のレースのカーテンを引こうものなら部屋の中はますます暗くなるし、かといって電気をつければ外からは丸見え状態だし。
とにかく大規模修繕工事中は夜以外は落ち着いて部屋にはいられません。
特に私の場合は自宅作業なもんですから、パソコンで作業中にいきなりぬわっ!と人影が現れるたびにドキッとさせられます。
昼間、室内にいる時間の長い女性の方なんかはもっと大変でしょうね。
高層階と言えども工事期間中は常に見られる危険性があるわけですから、着ている衣服にも気を遣う必要があるでしょうし。
洗濯がキツい!
大規模修繕工事中は1階のエントランスに各戸での作業日が張り出されると前に書きました。
それと同時に、”作業の邪魔になる”あるいは”塗料・飛沫などが付いてしまう”などの理由で洗濯物を干しちゃいけない日のスケジュールも張り出されます。
作業当日はもちろんですが、近隣のバルコニー(ベランダ)の作業時も×印がついて洗濯物が干せなくなります。
しかも1日だけじゃなくて3日連続だったりすると、家族が多い家庭はホント困りますよ。
我が家は4人家族なのでほぼ毎日洗濯物がでます。
しかも洗濯物が一番出るであろう春先から夏にかけての大規模修繕工事だったため、×印の付いた日はいつにもまして憂うつでしたね。
じゃあ×印が付いてない日にドカンとまとめて洗濯するかって話になるんでしょうけど、作業期間中はマンション自体がシートで覆われていて日射量が少なくなるためたただでさえ洗濯物が乾きにくいときてます。
だから室内乾燥や浴室乾燥まで使って頑張って乾かそうとします。
ところが作業内容によっては”クーラーも使ってはいけない”、塗料の匂いが部屋に充満するので”窓も閉め切っておかなきゃならない”、そんな日も出てきます。
しかも塗装作業は下塗りがあるので1回じゃあ終わりません。
そのたびに窓をずっと閉め切っておかないといけないんです。
こうなると梅雨時や真夏はもう完全にアウトですね。
お手上げです。
もはやコインランドリーのお世話になるしかありません。
もっとも、シーツなどの大物はほぼ必然的にやむなく毎回コインランドリーに持ち込んでました。
これがねぇ、普段コインランドリーを使ってない人にはけっこうしんどいんですよ。
たとえば我が家の場合、歩いて5分ぐらいのところにコインランドリーがあるんですが、重い洗濯物を抱えての往復10分+(一旦戻るか居残るかの)待ち時間はこたえます。
それにシーツのような大物ともなれば、洗濯代だってバカになりません。
こんなふうに工事期間中は時間も手間ももちろんお金もかかります。
とにかく今思えば洗濯が本当に辛かった。
室外機のホースは長めに
最近ではバルコニー(ベランダ)の壁上部に、吊り下げ型で室外機を備えてあるマンションが増えてきてますね。
しかし我が家のマンションのように、床に直接室外機が設置されてる場合は注意が必要です。
というのもバルコニー(ベランダ)の塗装や修繕作業時には、室外機を外さないにしても多少動かす機会がたびたび出てくるからです。
その際、室内のエアコンとつながってるホースが短いとわずかな距離も動かせないという困った事態が起きちゃいます。
我が家の場合は最初から付いていたバルコニー(ベランダ)の室外機はホースの長さに多少余裕があったので、上下左右に多少は動かせたのが幸いでした。
作業員の方も作業しやすいようにちょっとずつ動かしていたみたいです。
ところが後から取り付けた共用部である廊下側に置かれた室外機はそうはいかなかったんです。
下の画像を見てください。
ちょっとわかりにくいですが、室外機の上部にすき間がありませんでしょ。
ということは室外機を手前に引っ張り出さないと奥の作業ができないってことになります。
ところが元からついてたホースは壁際ギリギリの長さ…
そのためこのままだと室外機を手前に引き出すことができません。
結局、大規模修繕工事に合わせてホースをより長めのものに取り換える工事を発注せざるをえませんでした。
こちら↓がホース取り換え後の画像です。
ここでも余計な手間と出費がかさんじゃいました。
もしも大規模修繕工事を控えてエアコン取付を考えている方がいるのなら、最初から”ホースは長めのもので”とお願いしておくといいですよ。
大規模修繕工事の対象は原則として外壁・屋上・共用部の修繕作業になります。
そのほか給排水管やガス管、電気設備や給水設備、エレベーターなんかも修繕対象になるそうですが、これらは1回目の大規模修繕工事の対象ではないようです。
共用部には廊下以外に玄関のドアの”外側”も含まれます。
実際、玄関周りのシーリングも修繕していきましたね。
工期は伸びるモノ?
工期の長さについてですが、もちろん工事が始まる前に印刷物で連絡も来ますし、エントランスにはスケジュール表が張り出されます。
でも予定はあくまで予定。
ちなみに我が家の大規模修繕工事は予定より1ヵ月遅れで終了しました。
一番の理由は天候です。
雨が続いたりすると確実に工期は伸びます。
そのほか予期せぬ修繕項目が発生しても工期が伸びたりします。
こればっかりはどうしようもないですね。
修繕積立金は途中で必ず値上げされる?
一度大規模修繕工事を行ったからといってその後は安心かというと、そういうわけにもいかないんですね。
マンションは建物ですから時間が経てば老朽化も進みます。
もしも大地震などの災害が起これば予期せぬダメージだって受けるかもしれません。
そのため2回目、3回目と定期的な大規模修繕工事が計画されてるんです。
そして2回目(3回目)の大規模修繕工事ともなると、費用の面で新たな問題が生じてきます。
たとえば建物が当初の予想以上に傷んでいたなら工事費用は高くなるでしょう。
材料費や工事費が値上がりすることだってあります。
こうなると修繕積立金の見直しが図られることになります。
現実問題として我が家でも将来の2回目の大規模修繕工事に際して、このままだと現在の積立金では賄いきれないということで積立金の増額を要請されました。
つい先ごろ、毎月の積立金の価格を一気に上げるか、毎年段階的に価格を引き上げていくかのアンケート調査が行われたところです。
「一気に積立金を引き上げる」パターンは毎月の支払額が急にきつくなる(なんと一気に3倍!)けど、積立金の額は(基本的には)今後変わることはないということです。
一方「年ごとに段階的に引き上がる」パターンは年々少しずつ金額を上げていくので、現状の出費はそれほどきつくはなりません。
ただし支払う総額は同額なので、一気に引き上げるパターンよりも数年後の積立金の額が高くなります。
ということは今はまだラクだけど年金生活者ぐらいの年齢になった時に現状の5~7倍の積立金を毎月払わなければならなくなるってことですよ。
これはこれでやっぱりきついですよね。
でもどちらの結果になったとしても、居住者はそれにしたがわなければなりません。
それを考えると今から胃が痛いわ~。
修繕積立金の値上げについて面白い記事を見つけたので参考までに載せておきます。
こんなふうにマンション購入した後もいろんな問題が起きてくるので、将来の設計の中に大規模修繕工事対策用の貯蓄も今から考えておいた方がいいかもしれませんよ。
我が家はこれらについて無知だったので、今になってちょっと青ざめています。(泣)
予想外の出費は他にも
大規模修繕工事とは全く関係ないんですが、ここからは”長く住んでるといろいろ予期せぬ出費が出てくるよ”って話です。
大規模修繕工事が行われる頃、つまり10年を過ぎたあたりというのは専有部でもある自宅内の調度品にもガタが出てくる頃なんですね。
たとえば給湯器の故障、(ガス)コンロや換気扇の不具合、壁クロスの張り替え、エアコンの故障などが挙げられます。
ちなみに我が家では大規模修繕工事の数ヵ月前に給湯器が壊れました。
その2年後にはエアコンの調子も悪くなってエアコン新調。
エアコンはだいぶ前に調子が悪くなるのがわかるからまだしも給湯器がいきなり壊れた時は慌てましたよ。
だって毎日使うものでしたからね。
しかもいきなり十数万の出費!って、そりゃないよ~って感じでした。
つい先ごろはオートロック機能が古くなったとかで強制的に諸々の交換という経験もしました。
オートロック交換に際しては室内のモニターから玄関のキーまで全戸交換になったんですが、この費用は修繕積立金から支払われた(?)ようで、個別の負担金はなかったんです。
ただ各戸に渡される鍵の個数に限りがあり、家族が多い我が家は合い鍵を余分に発注しないといけなかったんです。
その金額が高かった!
3本追加で8,000円弱も取られました。
こんな感じで大規模修繕工事では運よく余計な出費が出なかったとしても、その頃になると別の修繕費用が発生してくる可能性も高いんです。
マンション築後10年経ったら、そのための心づもりもしておいた方がいいですよ。
以上です。
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